周りに感謝する気持ちを忘れないように
こんな説教くさいことを言われると
そんなこと分かっているよと
熱苦しく思いつつ
協力をしてもらうことを
ついつい当たり前だと思って
感謝する気持ちを忘れてしまいがち
私も三河映画で映画制作をするまで
その中のひとりだったと思う
しかし三河映画を始めてから
当たり前では片付けられない協力が多すぎて
考え方が大きくと変わってしまった
例えば
今私はこのブログを
撮影地の津具の山の中で書いている
地元の方の家のこたつでである
(※津具の山はもう真冬のようなのだ)
夏の合宿が終わり
合宿所を引き払ってしまったため
今は撮影中寝泊まりする場所がないのだが
そのことを知った
地元のおばあちゃん
(みんな愛情を込めて“ばあば”と呼んでいる)が
いつでも泊まりにおいでと
声をかけてくださったのだ
そこで私たちは図々しくも
10人以上のキャスト・スタッフが
日々寝泊まりして
撮影に臨んでいる
この一週間
朝昼晩“ばあば”が
美味しい食事を用意してくれ
私たちの滞在を知った
近所の方たちも
山ほどの差し入れをしてくれる
撮影が終わって帰れば
いつも温かいお風呂が沸いている
見ず知らずの私たちに対する
こうした協力に
当たり前だと思えるはずがないわけで
本当に“ありがたい”という気持ちで
胸がいっぱいになる
多大な協力を前にして
自然に感謝の気持ちが込み上げてくる
そして
その意識が生まれると
ふとした日々の協力にも目が向き
感謝する気持ちが芽生えてくる
だから
“周りに感謝する気持ちを忘れないように”
なんてことは
わざわざ言う必要はないと思う
私たちは
周りにあまり迷惑をかけてしまっては
申し訳ないとか煩わしいとか思って
小さな協力に収め
その分妥協をしてしまう
互いに遠慮し合って
人との関わりが希薄になるくらいなら
“迷惑はかけるものでしょ”
なんて開き直る図々しさも
時にはあってもいいのではないだろうか
そうすれば
自分たちの思いを遂げることができ
人の温かさへの感謝の気持ちも深まり
人との繋がりをより
深く大切にできるようになるのではないか
私もただ日常生活を送っているだけでは
このことに気づかなかったかもしれない
映画をつくることで
大きな協力を得たり
迷惑をかけたりしながら
気づくことができたのだと思う
迷惑をかけながら人と繋がる
そんなことがあってもいいじゃないか
監督
岩松あきら
※愛知県設楽町津具で三河映画は撮影を行なっている
(写真は津具でお世話になっている“ばあば”宅にて)
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