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虚構ながらドキュメント

“Ben-Joe”は

壮絶な日々を過ごした

女の子の実話を元にしている


よって

それを演じる女優も

ヒロイン同様

壮絶な人生を

生きなければならない


当然のごとく

体当たり演技を余儀なくされ

1日中走り続けたり

3日間 川に入り続けるくらいは当然のこと


棒で叩かれるシーンの撮影では

誤って棒が彼女の身体に入ってしまい

「カット!」のかけ声と共に

その場に崩れ落ちる事故にも見舞われた


彼女の脚は

黄色や紫色に腫れ上がり

夜中の撮影だったため

翌朝 すぐ山を下りて

病院へと運ばれた


半日後 彼女は

笑顔で撮影現場へ帰ってきた

そんな彼女を見て

その精神力の半端なさに感心させられた


唇を縫うシーンでは

特殊メイクチームが彼女の顔を型取りし

作り上げたマスクを使用して撮影する予定であった


しかし彼女は

自らの唇を縫ってやりたいと言い出した

さすがにその選択肢を選ばなかったものの

彼女の本気度には頭が下がった


また熱演が極まり

文字通り撮影中に発熱することもしばしば

撮影の待ち時間に

セットの隣の機材置き場に敷かれた布団に

倒れこんでいる姿は今でも目に焼き付いている


クライマックスの撮影では

あまりに過酷な撮影のため自分を追い詰め

過呼吸に陥ってしまい

撮影が中断されることもあった


“Ben-Joe”は虚構であるが

体力そして精神力の限界に挑戦した

彼女の記録でもある


スタッフを信頼をして

最後までやり遂げた彼女に

多大な感謝と敬意を示したい


監督

岩松あきら



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