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三河映画御一行様がゆく~タリン・Ben-Joe紀行~ 清水雅人「上映」

●11月16日 タリン渡航5日目

『Ben-Joe』脚本担当清水です。

さて、タリン渡航5日目、観光モードは昨日までということで、映画祭行事が中心になってきました。特に今日は、映画祭期間中に『Ben-Joe』が3回上映される中でもメインの上映があり、慌ただしい1日。


午前中、昨日に続きオフィシャルのスチール撮影。個人とグループの撮影があり、映画祭からは「どんな格好でもいい」と言われてましたが、せっかくなのでグループショットは全員正装で臨みました。

その流れで、映画関係者が多く宿泊しているホテルロビーや(私たちも宿泊しています)、今日上映がある映画館でチラシ配りなどの宣伝活動も。

(詳しくは話せませんが)午後には海外セールスの打ち合わせも1件ありました。


ホテルでしばし休憩のあと再び正装して、20:30からいよいよメインの上映館 Apollo Kino Coca-Cola Plaza へ。恒例のブラックカーペットウォーク(ブラックナイト映画祭なので、レッドカーペットならぬブラックカーペット)、記念撮影があって、21:00からの上映のためホールへ。


『Ben-Joe』最終版は、試写会も行っておらず、観ているのは限られた関係者のみで、本当のワールドプレミア上映です。どれくらいお客さんが入るか心配でしたが、Apollo Kino Coca-Cola Plazaの中でもグレードの高いChill-saal(yogiboのようなビーンバッグチェアで映画が観られる!)240席がほぼ満席で、まずは一安心。

私たち7人の簡単な紹介があって、上映スタート。私たちも観客と一緒に鑑賞しました。


コメディやホラーではないので、笑ったり叫んだりのダイレクトな反応はありませんが、ショッキングな内容と描写のためか、観客のみなさんのそこはかとない緊張感が伝わってきた2時間15分でした。


上映後、Q&Aが約20分行われて、観客からの質問に答えました。

“事実に基づいたフィクション”とクレジットしているので、そのことに関する質問が多かったですが、中にはかなり踏み込んだ質問も。「シャイなエストニア人が、あんなにたくさん質問するって珍しいですよ!」と映画祭通訳のスティナさんに後から言われました。

日本大使館の方や、通訳ボランティアのドリスさんとその友達(大学で日本研究をしている学生さんたち)、エストニア在住の日本人の方も観に来てくれてて、熱い感想もいただきました。


私も最終版を観るのは1年以上ぶり(映画祭エントリー前以来)、大きなスクリーンで観るのは初めて。

“摂食障害になった主人公の話”と紹介していますが(もちろんその通りなんですが)、その奥には様々なテーマ…家族や人と人のディスコミュニケーション、ダイエット産業などのコマーシャリズムについて、DVや暴力についてやその根源などなど…が幾層にも重なっている作品になっていることを、改めて感じることができました。


「この映画を作ったことは決して間違ってなかった」「この映画を世界中のたくさんの人に観てもらいたい」と強く、強く思った1日でした。


タリン滞在もあと3日と少し。映画祭行事が続きます。

また明日。



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