前回のブログに引き続き
ヒロインを演じた仲間について…
役に決まった時 彼女は
“Ben-Joe”に全てを捧げると
私に告げた
口で言うことは易しいが
本当にやり遂げるには
相当の“覚悟”が必要だ
でも彼女は“本気”だった
撮影期間中
彼女はエキストラの衣装を縫ったり
毎晩小道具の折り紙を折り続けたり
消え物※をつくったり…
献身的に撮影のために尽くした
撮影後 24時間営業のスーパーに出かけ
翌日ケータリング※の材料を購入
寝る前にケータリングを仕込むことも少なくなかった
三河映画の場合
撮影中のケータリングは基本
スタッフ・キャストの手作り
そんな形が確立したのも
彼女の影響である
実はクランクインの日の昼食は
コンビニで購入した
おにぎりやサンドウィッチだった
彼女は私に聞いてきた
このお金は誰が出してるの?
スタッフもキャストも手弁当でやってて
ロケ地とかも全面協力してもらってるんだから
ケータリングも自分たちでつくって節約しましょうよ
つくれる人がいないなら
私がつくる!
そう言って
本当に彼女は実践した
何も私は役者が演技以外のことをやるから
すごいと言いたいのではない
“Ben-Joe”に全てを捧げる
“覚悟”を決め
自分の言ったことを実践した
ただそのことに敬意を払いたい
“本気”を共有できることほど
仲間同士で幸せなことはない
監督
岩松あきら
※消えもの 使うと消耗して一回しか使えない小道具。ここでは飲食物のことです。
※ケータリング キッチンでつくった料理を出張先(映画では撮影現場)に提供すること。
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